キャッシュレス戦国時代 メルカリのメルペイがOrigami Pay・オリガミペイを買収 疑問と今後の茨の道
メルカリが、決済サービスのメルペイを通じて、Origami Pay・オリガミペイの株式会社Origamiを買収しました。
メルペイとオリガミペイが一緒になるわけですね。
オリガミペイは大企業の子会社ではなく、唯一単独で展開していたので、子会社化するのは少し残念ではあります。
赤字事業×赤字企業なので、本日24日の株式市場では予想通りメルカリ株は下落しています。
日本経済新聞:<マザーズ>メルカリが急落、1年ぶり安値 オリガミ買収も「黒字化遠のく」の見方
日経平均は微弱プラスなので、明らかにマイナス要素と判断されたことがわかります。
ヤフーファイナンス:(4385)メルカリ
このメルペイ&オリガミペイの後の統合には2つ疑問点があります。
①割引と還元
オリガミペイは、QRコードの各社の中で、唯一の「割引」です。
購入時に2%などの金額が割引されて決済されます。
他の会社は「還元」になります。
ポイントがもらえて、それを次の通常決済や、運営会社での支払に充てることができます。
運営会社での支払いは、例えばPayPayはヤフー関連でショッピングやヤフオクで使えますし、そしてメルペイはメルカリのみです。
メルペイはここがどうしても弱い部分になっていました。
さらに割引それ自体は良いのですが、利用者の次の消費へ繋がらないという弱点があります。
つまりオリガミを取り込んでも、オリガミペイのメイン利用者がメルカリへ流れるという意味合いは少なく、シナジー・相乗効果が薄いと言えます。
②なぜメルカリ単独での路線なのか
オリガミの時価総額は、2020年1月段階で417億円と試算されていたりもします。
今のメリカリの国内部門は良いですが、海外とメルペイは赤字続きのため、今回のオリガミ買収は大きな決断となります。
決済は事業はスケール化して大きくならないと、意味はない・赤字を解消できない事業になります。
そもそもメルペイには致命的な弱点がありました。
実のところ、メルペイはiDと連携しているからこそ成り立っているものです。
「メルペイはiD決済に対応のお店と、メルペイコード決済に対応のお店、一部のネットショップで使えます。」と説明されています。
また、メルペイ単独のコード決済で支払いができる先を見ると、その弱さが明白です。
メルペイ:使えるお店
そのiDはNTTドコモと三井住友カードのもの・仕組みなので、dポイントのドコモに泳がされているだけの状態だったと言えるでしょう。
格安SIMのような、ドコモなどキャリアに間借りして成り立っている状態です。
上納金・利用料を確実に支払っています。
このままではメルペイの未来は、dポイントと吸収統合されるだけだったのではと考えています。
メルペイは赤字事業ですから、上手くいかなければドコモが安値で事業を買い取る。
上手くいったらdポイントと統合するか、あるいはそのままでもiDの利用料でドコモにお金は降りてくる。
どの道良い未来を想像することは困難でした。
【参考情報】
NTTドコモ:電子マネー「iD」ホーム
三井住友カード:電子マネー「iD」とは? 三井住友カードを利用したiDの使い方・支払い方法」
確かに②のiD・ドコモに頼る状況を打破し単独で伸ばしていきたい場合は、自前で仕組みを構築しているオリガミと組むしかなかったでしょう。
ただそのために、下位同士ですので統合しても利用者数は小粒なまま。
かつオリガミペイの割引とのシステム統合も複雑ですし、ユーザーが離れる(割引ではなくなったらメルペイではなくPayPayなどに移る)可能性は高いです。
さて、メルカリは花開くまで耐えきることができるのでしょうか。
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