NGC・CCGの買収から考える 投資ファンドの動きとコイン投資の未来
NGC公式ページより 『A Letter from Mark Salzberg and Steven R. Eichenbaum』 https://www.ngccoin.com/news/article/9254/
コインの鑑定会社として名高いNGCを含むグループであるCCG(Certified Collectibles Group)が、投資会社のブラックストーンを含む集団に買収されることとなりました。
世界最大の資産運用会社であるブラックロックと時に誤解を受けるブラックストーン社になります。 とはいえ、ブラックストーン社も十分に大きな投資ファンドであり、例えば今年に近鉄グループのホテルを一部取得しています。
四季報オンライン『米ブラックストーンがあの神戸北野ホテルを買う理由』 https://shikiho.jp/news/0/419250
ブラックストーンのような投資ファンドが投資する・株式を取得する場合、ゴールは大きく2つしかありません。
・上場する
・他社に売却する
そしてこのようなファンドが投資をするということは、「大きく成長できるシナジー効果がファンドの内外ステイクホルダー先にある」「今現在不調や機能不全に陥っており、復活再生できるプランがある」のいずれかを、比較的短期間に達成できるという計算ができているからでしょう。
そして今回は前者だと思います。ポケットカードやMTG(マジック・ザ・ギャザリング)カードなど、トレーディングカード市場の値上がりニュースも昨今は顕著になっています。
多くのコインファンの方々が気にするところとしては、鑑定の実務に関してだと思いますが、PCGSと双璧を成し、この両者に迫る大きなプレイヤーも目下見当たらないことから、特に変化はないでしょう。
業界の独占的な企業であれば、鑑定料金を上げるなどマイナス要素の懸念もありますが、PCGSがあるため考えにくいです。
実物資産はオルタナティブ投資の1ジャンルになりますので、もしこのようなプロ向け・富裕層向け投資ファンドの1アセットとして組み込まれていくことになると、それはコインの金額としての価値や保有の意味合いが変わっていくことになります。
そしてその際には、大きな資金がコイン市場に流入してくるため、例えば一部の1,000万円超(10万ドル)の人気コインの値がさらに上がるという事態が考えられます。希少価値の高いアンティークコインを保有している方にとっては、喜ばしい未来が待っている………かもしれません。
2021年6月3日 ブルームバーグ『ブラックストーンが日本で個人向け事業参入、年内にオルタナ商品販売』
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-06-03/QU28WCT1UM1201