お金のパーソナルトレーナー 〜FutureVision’s diary〜

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ところで買収やTOBのニュースの見方、わかりますか? ~ゾゾとヤフーから考える~

昨日からの話題のニュースですね。


「ヤフー、ZOZOを買収へ、4000億円で50.1%-前沢氏は退任」

headlines.yahoo.co.jp

 


企業の合併・買収を普段何と言いますか?

 

M&Aですね。

M=Merger=合併
A=Acquisition=買収


この買収の話でよく出てくる「株式の公開買い付け(TOB)」とは、どういう意味なのでしょうか。

 

TOB⇒Take Over Bit


手続きとしての意味は、期間・株数・価格を明示して、市場外で一括して買い取ることです。


市場内というのは、一般的に株を買う・投資する時に行う、証券会社の口座から、「2,500円で指値買い」「今現在2,500円で成り行き」といった株の注文方法です。


では、市場外で一括で買い付けるとはどういうことか。


TOBの場合には、必ずプレミアムを乗せます。

この場合のプレミアム(premium)というのは割り増しという意味です。

 


ZOZO社の株価は、11日の終値で1株2,166円。

今回のTOB価格は1株2,620円。約20%のプレミアムとなりました。


なぜ必ずプレミアムを乗せるのか?

 

冷静に考えれば当たり前の話なのですが、「今ZOZOの株を持っている人は、ZOZOの株は値上がりすると思うから持っている」わけです。

 

今より株価が下がると思って、その株を保有している人はいません。

つまり、2,166円の株に対して、「2,166円でTOBします!!」と公表しても、誰も売らないわけです。

 

なのでプレミアムを乗せて、売ってくれる株主を集めるわけです。


人により、「ZOZOはこれから3倍6,000円ぐらいの株価になると予想しているから、20%程度のプレミアムでは売りたくない」という人もいる場合もあります。

 

ここで応じる人が少なければ、TOBが失敗するということもあります。

一般的には、期間内に合計50%超にならなければ失敗です。

 


ZOZOの株価を見てみると、2017~2018年の大半の時期は2,620円より高いです。

この時期に株を買って保有している人の中には、まだ売りたくないという人もいるでしょう。

 

ZOZOは買収後も上場を維持する予定です。なおのこと売らないという選択肢もあるわけです。

 

今回は創業者として37%の株式を持つ前澤氏が同意している友好的M&Aの典型例です。

 

約30%を売却するので、あと20%を集めれば買収成立します。

20%ですから、基本的にこのTOBは成立する流れでしょう。


ただし、全保有者・個人投資家の皆様が応じなければ、TOBは失敗になります。

 


日本経済新聞 「ヤフー、TOBでZOZOを子会社化へ」

www.nikkei.com

 

TOBは法律上の手続きなどが済み次第始めるとしており、10月上旬の開始を目指す。買い付け予定数の下限は発行済み株式の33.40%としており、応募状況によってはTOBが成立しない可能性がある。』