原油はまさに外交政策そのもの ~サウジアラビア・ロシアの対立、そして米国の追加関税案~
先週は原油相場が「トランプツイート」でやや動きましたが、この記事を読む限り、本格的な減産への調整は難しいでしょう。
ただでさえ、航空という石油を大きく使う産業がほぼ止まっていますし、加えて人の動きが少なくなるため大幅に需要そのものが落ちています。
日本経済新聞:OPECプラス、緊急会議を延期 9日ごろで調整 サウジとロシアの対立表面化
とはいえ、米国としては原油に変わるシェールなどのエネルギー産業を守りたいので、わかりやすく保護しようとしています。
大統領中間選挙に向けて、シェールの雇用を守ったとアピールもしたいところです。
日本経済新聞:トランプ氏、輸入原油に追加関税も OPECに圧力
しかし車移動が多い米国で、ガソリン価格の値上がるに繋がることは、このコロナウイルスでの不景気下では真逆の対策となってしまいます。
とはいえ、ついに上場しているシェールオイルの米国企業が破綻しました。
これは関連株・債券(総じてハイイールド債)のさらなる不安要素になるでしょう。
日本経済新聞:米エネ業界、価格戦争に悲鳴 シェール中堅企業が破綻
ヤフーニュース&時事通信:米シェール企業が経営破綻 原油急落で初
破綻したシェールオイルの米ホワイティング・ペトロリアム社の株価を見ると、2015年頃の100ドル台から、2020年年初の段階で既に6ドル程度、現在は「0.29ドル」という悲劇この上ない状況です。
ブルームバーグ株価:ホワイティング・ペトロリアムWLL:US NEW YORK