コロナショックから考える、長期分散投資の徹底 ~ドルコスト平均法の罠~
相場での格言はいくつかありますが、
「落ちてくるナイフは掴むな(Don't catch a falling knife)」
は、まさにその通りだなと感じる相場の動きですね。
ナイフは押して引いてこそ切れるもので、落下中に掴むと確実に怪我をします。
床に落ちてから拾えば、怪我をすることはありません。
野村證券:証券用語解説集
欧州と中東にコロナ・原油・レバノンデフォルトの余波が本格的に来るかもしれないので、まだナイフが落ち切ったとは言えないでしょう。
ECBの動きや、ドイツへの本格拡大など、不安定要素はまだまだあります。
今回や今後の下落幅について考えるに、良くまとまっているものがありました。
日興アセットマネジメント:総合チャート集(株価・為替・商品・金利・REIT等) 2020年3月9日発行
https://www.nikkoam.com/files/fund-academy/data-watch/pdf/chartslist.pdf
分散投資の分散するものは何か。
『投資対象(銘柄)・お金(資金)・時間』になります。
積立はお金と時間を自ずとクリアしてくれる仕組みです。
新しいお金をどう入れるかで、下落時にも次に向けてしっかりと仕込みを入れることができます。
ただし、注意点があります。
積立投資・ドルコスト平均法は出口戦略を間違えると、その意味はなくなるのです。
多くのドルコスト平均法を推す図は、「開始時からの短期間の結果・総額でしか考えていない」ことを注意が必要です。
月1万円の積立を20年続けると、投じたお金は240万円になります。
このお金の運用結果が-30%になると、-72万円ですから、今からどんなに値下がりした状態で月1万円を新たに投じても「さほど意味はない」ということになります。
つまり最終的には入れたお金そのものをいかに適切に運用するかの方が、投資期間の中盤以降は求められることになるのではないでしょうか。
リスクの取り方や考え方は人それぞれです。
ただ運用相談でしっかりと考えをまとめている方は、「それなりに資産運用しながらも安眠している」「冷静に次の一手を考える」など、少なくとも心は安定しているようです。
相場は誰にもわかりませんし、「次は~が来る」などは立場としても法律としても言えません。
その中で、『株式100%は理論上正しくはなく、より最適には出来得る』ことは、今までもこれからも伝え考える契機としてもらうことはできると考えています。