東芝の復帰遠のく ~証券取引所の東証二部と東証一部では何が違うのか~
東芝の子会社などで行われていた架空取引の調査結果ですが、東芝に「目には見えないダメージ」を与える結果にはなると思います。
本当に組織的な関与がないのか、外部が完全に主導していたかはもはや置いておき、過去の会計・決算問題で現在東証二部である東芝の、東証一部への復帰はガバナンス・コンプライアンス両面からさらに遠のいたと言われているからです。
東証二部の現在でも、個人は東証一部の時と変わらず、通常通り東芝株式を購入できています。
例えば証券取引所の特異な例として挙げられるのが、ライザップ・RIZAPグループ株式会社です。札幌証券取引所(アンビシャス)に上場しています。
地方の札幌証券取引所に上場しているからと言って、一般の個人投資家には特に影響はありません。
ただ、これが投資信託を作るアセットマネジメントなどの資産運用のプロとなると話が変わります。
例えば、TOPIX(東証株価指数)は『東証一部に上場している銘柄』を対象としています。
東芝が東証二部のままですと、「TOPIXを投資対象とする投資信託の資金が入らない」「規約・ルールで投資対象を東証一部のみなどと定めているファンドの資金が入らない」などの制約があります。
皆様の資金を預かり運用しているファンドは、適切なリスクの中で最大限のリターンを目指しています。東証一部に入っていないと、リスクが大きいと判断され、投資をしてもらえないこともあるのです。
『二部ではダメなのです。一部でないとダメのです。』