freee社の上場前の値上げ ~IPOの悲喜劇~
【freee社の上場前の値上げ ~IPOの悲喜劇~】
クラウド会計ソフトのfreee社が、上場を12月17日に控える中、そのサービスを「実質大幅値上げ」することを発表し、一部で騒がれています。
freee社のお知らせ・プレスリリース内で発表されてはいないようなので、『freee 値上げ』などで検索してみて下さい。
freeeの導入や指導をしてきた、会計士・税理士など士業のパートナー先はどう感じているのか気になりますね。
以下、あくまでも私見・推測です。
大幅な赤字上場ですが、会計ソフトなので例えばバイオ医薬品のような一発逆転がない産業になります。
さらにBtoBなので、この商品でメガヒット!!みたいなこともないでしょう。
会計ソフトは、そもそも顧客の乗り換え・スイッチングコストが高いですからね。
(だからこそ大幅な値上げをしたとも言えます)
ではその中で、なぜ今大幅値上げなのか。
上場するわけなので、その提出資料・有価証券報告書などから株主構成を確認すると、察することはできます。
フリー株式会社 コーポレート・ガバナンス
https://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/nlsgeu000004dc94-att/12freee-cg.pdf
1ページ目の資本構成・大株主の状況からわかりますが、ベンチャーキャピタルの比率が高いと言えるでしょう。
創業者の所有株割合を、その他のIPOと見比べると一目瞭然だと思います。
さらには、上場時の売出株の数から、ベンチャーキャピタルがビジネスとして保有株式を大きく売りに出すことは明白です。
フリー株式会社 会社概要 ~JPX 日本取引所グループ 新規上場会社情報より~
https://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/nlsgeu000004dc94-att/12freee-Outlinet2.pdf
このため、公募・売出価格はもちろん、その後のロックアップが外れる際に株価がいかに高くなるかは死活問題です。
12月9日で公開価格は2,000円と上限で決まりました。これが初値にどう影響を与えるのか注目です。
余談ですが、クラウド会計の分野ではマネーフォワード社が既に上場していますが、いまだ赤字続きではあります。
マネーフォワード 2019年11月期 第3四半期報告書
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3994/yuho_pdf/S100H4GN/00.pdf